古典落語に元犬という話があります。
神社に住み着いた白い犬シロが、人間にあこがれて神様にお祈りしたら
本当に人間になってしまう。
シロがご奉公に行く中で繰り広げられるドタバタ。
基本的にナンセンスな話ですが、背景描写もシンプルで、
落語初心者も楽しめる話だと思います。
私は志ん朝のやる元犬が大好きです。
師匠のやる、まさに立て板に水という鮮やかな流れが、
旋風のようになって聞く人をグイグイと話に引き込んでいきます。
浅草橋には、その舞台になった蔵前神社があります。
人の紡いできた物語。
その場でしばし、人の歴史に思いを馳せます。
早く高座にいきたい。