シコウノイッタン

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雑記【話題の吉祥寺「ココマルシアター」へ】

以前にも少し書いたのですが、吉祥寺にできた話題の映画館、「ココロヲ・動かす・映画館 ◯(通称:ココマルシアター)」が完成したとのことで、行ってきました。
いろいろネットで言われているけど、実際どんな所なんだろう、的に書いたつもりなのですが、とっちらかって読みづらくなってしまいました。すいません。
(なお、長文です。)

映画館の詳しい経緯は下記が詳しいのでご参照ください。

togetter.com

要はクラウドファンディングで金を集めているのに、全然約束が守られない、総支配人の杜撰なやり口に、一部の映画ファン(通称:ココマルウォッチメン)や出資者から非難が集中し、プチ炎上案件となっている映画館です。

■私のはなし(諸前提)

ちなみに、私は出資はしていません。ただ以前吉祥寺にあった「バウスシアター」には月2回くらい通っていた、「割と映画が好き」な人間でした(過去形なのはバウスがなくなって以降、映画を見なくなったから)。
で、同館が「バウスの意思を継ぐ」的な発言をされていたので、期待と関心を持って見守っていました。私はあくまで「にわか映画ファン」ですが、金太郎飴みたいな「どこにでもある街」になりつつある吉祥寺において、「ミニシアター」という文化発信拠点には、どうしても期待せずにはいられませんでした。
そうした期待もあって、危うっかしい対応を見せる同館に対し、外野ながらヤキモキしてしまい、時にTwitter上で偉そうに述べたり、言ってしまえば煽ってしまうこともありました。
その点は反省もしています。

とはいえ、一方的にものを言うのはフェアではないですし、完成を楽しみにしていたというのは事実なので(まぁどこかで完成しないで欲しかったというのも本音)、とある日に足を運ぶことにしました。
映画ファンではない、一般ユーザーとしてなるべくフラットに記述をしたいと思います。

■感じたこと

①心理障壁となっている外観周辺

まずは、入りにくいと思いました。
厨房部分のシャッターが閉まっているせいもあるでしょう。
あとはファサード周辺から読み取れる情報がとっちらかっています。
カフェなのか、バーガー屋なのか、はたまた何屋なのか一見して分からないのは、入りにくさを助長するので致命的です。
映画館は「映画」を見るためにあるのであって、「激旨バーガー」はあくまでツールのひとつです。そんなにプッシュする必要はないと思います(カフェのコンセプトを押し出したいというのもあるのでしょうが、ぼやけたコンセプトは結果的に顧客を遠ざけます)。

なので、これからは外観周辺のテコ入れが必要になりそうです。
デジタルサイネージを導入して、今上映中の映画の予告編や、上映スケジュールを分かりやすく通行者に訴求した方が集客に繋がると思いました。
さぁ、勇気を出して入りましょう。

②見えないシステムと料金体系と館の全貌

勇気が要るのは、ココマルシアターのホームページから情報が読み取れないことにも一つの原因があります。

www.cocomaru.net


映画館のホームページには公開情報はもちろんのこと、館内の様子写真や鑑賞料金、メニュー諸々が掲載されていると思うのですが、ココマルシアターに関してはその限りではありません。
トップページの外観もパース画像ですし、館の様子写真もありません。
正直言うと、お洒落なコンセプトの割りにホームページがひどくチープな印象を受けました。
ホームページは、仮想空間上の玄関です。玄関が汚いと、特に遠方から来ようとするユーザーは一層の勇気が要ります。

あとは、ホームページのほかにも、主要SNSなど、いろいろなメディアで情報発信をされているのですが、情報が散発し、結果的に錯綜して読みとりにくくなっています。

基本的には、ホームページとSNSは主従の関係ですので、一元的にホームページで情報を管理し、そこからSNSに派生させるやり方のほうが良いと思います。
情報は直接確かめましょう。

 

③オペレーションはまだまだ改善段階

私はかつて接客をしていたので、どうしても接客に関しては小姑みたいになってしまうのですが、スタッフは明るくて素敵な感じです。ここは良かったです。

ただ、全体的にオペレーションがギクシャクしていて、錬度の低さは否めません。
気持ちの上では肝要に見守ってあげたいのですが、ビジネスやCS(顧客満足)として考えると、言い訳が立たない点です。

余談ですが、メニュー表を見ながらビール(380円)を頼んだのですが、「エビスとアサヒ(確か)がいいか?」と問われて「エビス」と答えたら「エビスは450円です」と言われて戸惑いました。「裏メニューかよ」と突っ込んでしまいそうでしたが、こういう無駄なやりとりも時間のロスになります。
何しろ、窓口が一つしかないんですから。
こうしたことからもオペレーションの強化の必要性を感じました。
 さぁ、映画をみよう。

 

 ④映画鑑賞に際して感じたこと

映像や音響については素人なので特に述べません。
ちなみに私は1階で『マイビューティフルガーデン』を鑑賞したのですが、面白かったですよ。
あとは気になった点をいくつかを殴り書きします。

(1)噂にもあったのですが、ちょっと空調が寒いかなぁという印象
⇒ちょっと寒かったです。
(2)天井が低くてちょっと圧迫感
⇒これは私のミニシアター体験が乏しいための主観かもしれません。
(3)非常に申し訳ないのですが、なんだかとっちらかった印象
⇒なんかよく分からないのですが、雑然としている印象を受けるんです。例えば後述の椅子の並びとか、暗幕のカーテンレールがひん曲がってるとか、スピーカーの配置とか飛び出したカーテンとか。いずれにせよ主観です。

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シアターの一部内観

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シアターの360度画像(ダウンロードしてGoogleフォトにアップロードすると360度ビューで見られます、多分)

(4)一番気になったのは椅子

赤い座席は素敵だったのですが、最前列に陣取った紺色のリラックスチェア。
これは結構背が高いので、後ろの席の人が見づらそうな気がします。
しかも、見た目にチグハグ感が出て、お世辞にも良いとは思いません。

そして、何より不味いなぁと思ったのが、この紺色の椅子、私の家にあるIKEAの椅子の色違いのような気がします。

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IKEA謹製の椅子

こういう詰めの甘い部分は顧客として残念です。
(人にもよるとは思いますが)映画館で見る映画体験というのは、「ハレとケ」でいえば「非日常」である「ハレ」にあたります。
そこには館自身にも「ワクワク感」が必要とされるのですが、家に同じ椅子があるとなんだか興冷めしてしまいます。
 家帰ったら同じ椅子が待っていた。

 

■まとめ~ 一回色んな棚卸しをしてやり直せる、かなぁ?~

もうなんだか疲れてテンションが下がってきたので、そろそろ終わろうと思います。

とっ散らかった外観やコンセプト諸々を軌道修正すれば、立地もいいですし、素人的にはポテンシャルは結構あると思います。
情報の透明性の確保と、良い広報戦略を作れれば、愛される映画館にもなるやもしれません。

いろいろネットで言われて(私も含む)大変だと思いますが、そういう人の言葉は結構、愛情が詰まっていたりするので、真摯に向き合って、地域に根ざす映画館になればと思います。

ただ、このままマイペースで突き進むのであれば、経営状態は不安に感じます。


忖度に忖度を重ねたので疲れました。以上です。

【了】