シコウノイッタン

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【落語】「甲府い」あらすじ

私、「甲府い」という話が好きなんです。
高座でかかっているのは未だ見たことがありませんが、古今亭志ん朝師の「甲府い」は何度も見ます。

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この噺が好きな理由は、とても爽やかだからです。余韻がとてもいい。

男はつらいよ」は、最後に寅さんが旅に出て、日本の美しい風景とともに映画が終わるのですが、「甲府い」もそんな感じ。
美しい光景が最後に観客を突き抜けていくような、そんな感じがあって好きなのです。

《「甲府い」あらすじ》
甲府から仕事を得るために江戸に出てきた善吉。
法華宗の信者でもあった善吉は、「仕事を得て一人前になるまでは故郷に帰らない」と願をかけてきたものの、財布をすられ一文無しに。

行き倒れ寸前のところで、豆腐屋にあった卯の花を盗み食いしてしまい、店の若いもんにとっちめられてしまう。
そこに出てきた店主。訳を聞くと可哀想になったうえ、店主もまた法華宗。人手が足りなかったこともあり、善吉を働かせることにした。

店は法華豆腐とあだ名される人気店。
特に人気なのが、ごまがたっぷり入ったがんもどきだと言う。
店主から
「豆腐ぅー、ごまいり、がんもどき」という売り声を教えられ、それを言いながら、一生懸命売り歩いた。

あっという間に3年が過ぎ、気づけば善吉は立派な豆腐屋の一員に。
店主も、その妻も、善吉の誠実な人柄に一目置いていた。

二人にはお花という一人娘がおり、善吉を婿に迎えるのが良いのではないかという話があがる。お花も、善吉の話をすれば顔を赤らめる始末なので、話はすぐにまとまった。

豆腐屋の養子に入った善吉。
善吉は早くに両親を亡くし、甲府にいた叔父に育てられた。
その叔父に結婚の報告をしたいから5、6日暇をもらいたいと申し出る善吉。
ついでに、願掛けをしてきた身延山へもお参りしたいという。

翌日、早速荷物をまとめ、お花と二人、いつもと違う綺麗な服装に身をつつんだ爽やかな若夫婦が、甲府に向かって街道を歩いて行く。

それを見た町人は、いつもと違う二人の様子に驚き「二人してどこへ行くんだい?」と声を掛けた。

善吉はいつもの売り声の調子で答える。
甲府いー」
続いてお花が
「お参り、願ほどき」



 

……この山田洋次感、なんとなくおわかりいただければ、お友達になれるかもしれません。