【映画】『地獄の黙示録』は面白い映画なのか?
見ました。
映画史に残る作品なので、内容についてはわざわざ多く語る必要もないですね。
町山さんの動画を見ましょう。
ここでは、ちょっと思ったことを書き残します。
[目次]
▼『地獄の黙示録』は面白い映画か?
さて、正直面白い映画かと言われると、面白くはないと思います。考えさせられるけど、面白くはない。
前半はスリリングだし、戦争の狂気が視聴者に伝わってきていい感じです。
しかし後半、カーツ大佐と対峙するあたりからは混沌としてきて、前半の分かりやすさと比較して分かりにくい展開になるので、決して見て「面白かったー」と手放しで言えない複雑さがある作品ですね。
▼映像の裏に隠されているものは真実か
映画でもなんでも、批評をするときに、我々は「このシーンにはどういう意図が隠されていて…」「ここでコッポラが表現したかったのはこれこれで…」と、とかくその背後にあるものを語りたがります。
そして、それを正確に言い当てた者が、「批評」というゲームの勝者になれます。
そうした意味では、我々はなかなか純粋な「映像体験」として映画を見ることは難しく、「映像を見ているようでそこに見えていない部分を見ようとする」、という不可思議な現象を経験していることになります。
それは現代人が取り外すことのできない「知の枠組み」なので、我々は否応なしにそのゲームに巻き込まれることになるのですが、果たして、そのゲームを超えて映画というものを見つめていくことが可能なのか?
そのゲームに乗っかることが正しいのか?
この『地獄の黙示録』を見て、そんな思いが強くなりました。
▼分解したがりな時代
現代人はとかく作品を分解したがりますが、そうした思考の枠組みには極力抗ったほうが良い、と私は思います。もっと言えば、映画を見るにはもっと自由でいいはず。
もちろん言葉で語られていないものも作品の中にはたくさんあるし、意図して隠された真実があることもあるでしょう。
ただそれらをすべてテストのように血眼になって答え合わせをしようとする姿勢は単純に疲れちゃう。そして、それでも意味のわからなかったシーンをネットで調べちゃうのは、私自身も囚われの身だからでしょうね。
畜生。
『地獄の黙示録』を見終わって、私が思ったのはそんなことでした。(続けて見た『ディア・ハンター』もまったく同じだった。)
最後になりますが種本である、ジョセフ・コンラッドの「闇の奥」は面白いです。
おすすめです!
了。