シコウノイッタン

読んだ本や、映画の話など、偏見だらけの話をつらつらと

社会を思考

【書評】最終巻『ペリリュー~楽園のゲルニカ~(11)』~もう半額セールだと……!?~

これまで漫画のことはあまり書いていませんが…… 「ペリリュー~楽園のゲルニカ~」最終巻、読みました。内容は後述しますが、一番の問題はkindleセールで全巻半額で売られているという事実!こないだ出たばっかりやん。。ほぼ定額で買ったのに。 とはいえ、…

【書評】『悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える』~100分de名著?

悪と全体主義―ハンナ・アーレントから考える (NHK出版新書 549) 作者:仲正 昌樹 発売日: 2018/04/06 メディア: 新書 読みました。ハンナ・アーレントの思想の概要、それも全体主義についての考察のみを簡単にまとめた入門書です。 以下、備忘録的にやや詳細…

【映画】『地獄の黙示録』は面白い映画なのか?

町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座「地獄の黙示録」前編 見ました。映画史に残る作品なので、内容についてはわざわざ多く語る必要もないですね。町山さんの動画を見ましょう。ここでは、ちょっと思ったことを書き残します。 [目次] ▼『地獄の黙示録』は…

【ドキュメンタリー】『メリエム』〜ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2018ノンフィクション部門最優秀賞〜凄いもん見た

original.yahoo.co.jp ▼あらすじ ▼凄いもん見た ▼ハエを振り払うことで私達と戦場がつながる ▼あらすじ 自由のため、イスラム過激派と戦う女性たちシリア北部で勃発したコバニ包囲戦。イスラム過激派組織との戦いの中心に女性たちがいた。強靭な精神力をもと…

【映画】『わたしは、ダニエル・ブレイク』~国家にとって「私」とは。「制度」を巡って~

わたしは、ダニエル・ブレイクの簡単なあらすじと、そこに描かれている社会保障と制度のもつ危険性について書きました。

【書評】『公共R不動産のプロジェクトスタディ: 公民連携のしくみとデザイン』〜あなたのすみたいまちはどんなまち?

公共R不動産のプロジェクトスタディ: 公民連携のしくみとデザイン 作者: 馬場正尊,飯石藍,菊地マリエ,松田東子,加藤優一,塩津友理,清水襟子,公共R不動産 出版社/メーカー: 学芸出版社 発売日: 2018/06/08 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブ…

男性育休日誌〜男もすなる育児といふものを〜

▼3ヶ月の育児休暇 ▼私(男性)の育児休暇中の家事ルーティン ▼育児+家事のダブルパンチはまじきつい ▼赤ん坊の成長を見れることは心を豊かにしてくれる ▼3ヶ月の育児休暇 8月中旬から3ヶ月間の育休に入りました。理解ある職場のお陰で比較的長い期間の…

【寸評】その2 『幻の動物王国 悪い奴ほど裏切らない』―現代の人間の消え方「狂ってるのはどっちだ?」―

【とんでもない映画を見てしまった】 『平成ジレンマ』に引き続き、これまたとんでもない映画である。この映画は、千葉の某地域に住む、棄てられた動物たちをとにかく保護しまくる御仁のハナシである。ここに綴る言葉は、映像の前ではすべて霞むものである。…

【寸評】『平成ジレンマ』ータブーを超えてみたけどもー

現代社会の「タブー」には、どこか蠱惑的な響きがある。禁じられた人間の本能への挑戦とでも言おうか。 タブー (taboo) とは、もともとは未開社会や古代の社会で観察された、何をしてはならない、何をすべきであるという決まり事で、個人や共同体における行…

【雑記】ホワイトデー・バレンタインデーが義務チョコ(モースの贈与論)

今週のお題「ホワイトデー」私は若干コミュ障の気があるのか、、職場の関係をうまく築くのはあんまり上手ではありません。人見知りっていうと、聞こえは若干良くなりますが。 バレンタインデーは義務チョコだ さて、そんな私でも毎年バレンタインデーには「…

 【書評】『豊かさとは何か』暉峻淑子 〜短め、書き散らし〜

豊かさとは何か (岩波新書) 作者: 暉峻淑子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1989/09/20 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (29件) を見る 読みました。といっても少し前に読んだので、忘れているところもありますが、良書で…

体罰のない世界

www.huffingtonpost.jp 体罰のない世界を考える 私の好きな角界も含め部活動の場など、体罰について色々と議論がされています(上のリンクはそんなに意味がなく、なんとなく貼っているだけです)。体罰について「良い・悪い」の二元論で話をするとなると、もう…

イノベーション、イノベーションうるさいんだよ。

headlines.yahoo.co.jp 仕事柄、まちづくりとか、コミュニティビジネスとか、そういうものに関わっている人とお話する機会が結構あります。その中で、たまに「イノベーション起こそうよ」みたいな軽口を叩く人がいるんですが、そういう人は苦手です。その発…

【書評】『科学者と戦争』池内了 ~科学者と平和とは~

科学者と戦争 (岩波新書) 作者: 池内了 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/06/22 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 読みました。日本の軍学共同研究化が進みつつあることへの警鐘を鳴らす本です。著者は科学の持つ力(使い方を誤れば…

【思考メモ】正義は正しいとは限らない-相撲のゴタゴタから飛躍して私生活を考える-

seigiwww.nikkansports.com 相撲が揺れに揺れています。正直、一ファンとしても戸惑っています。多分、本質的な「正義」は貴乃花親方の方にあるのだと、私は思っています。相撲という縦社会の中でこれまで「くらわし」という慣習があったとはいえ、その範疇…

【「スノーデン 日本への警告」を読んで】 現代型パノプティコンへの道

スノーデン 日本への警告 (集英社新書) 作者: エドワード・スノーデン,青木理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/04/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 読みました。キンド…

【「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 」を読んで】自治体の新しい教科書

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 作者: 河合雅司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/06/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (13件) を見る 読みました。実に丁寧に、これから日本社会に起こりうることが記述されてい…

保毛尾田保毛男について、私がゲイの方から聞いた言葉

news.yahoo.co.jp なんだか、この論争が終わらずヤキモキします。実は先日、LGBT当事者によるシンポジウムを聴講してきました。その場では、シンポジストでもあるゲイの方が、保毛尾田保毛男について語っていました。そこで語られていた言葉こそが、メディア…

【「失敗の本質」を読んで】組織は全然成長しないよ。インパール作戦だよ。

杜撰なインパール作戦とは 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1991/08/01 メディア: 文庫 購入: 55人 クリック: 1,360回 この商品を含むブ…

【「戦略思考の広報マネジメント」を読んで】広報としてどれだけ社会課題に対して真摯になれるか

戦略思考の広報マネジメント 作者: 企業広報戦略研究所,清水正道, 出版社/メーカー: 日経BPコンサルティング 発売日: 2015/04/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 先日、この放言ブログに、吉祥寺の某ココマルシアターのことを書いたところ、妙…

山梨市長が逮捕された件で、山梨市のHPが魅せる華麗なスルースキル

www.jiji.com 現役の市長が逮捕されるという事件が起きました。虚偽有印公文書作成・同行使容疑。職員採用の口利きということです。 こんなこと民間も結構あるであろうし、事象としては驚くに値しません。大方、地権者だったり、地縁に基づく声かけがあった…

バニラエア騒動における白眉

バニラエアが、車椅子の客の搭乗を拒否した件で色々とザワザワしてます。 自分が障害のある木島某さんの立場だと想像すると(手法はともあれ)それなりに彼の主張も分かるし、バニラエア側の気持ちも分からなくもない。 ネット上の世論を見てみても、明確な…

公務員に大事な忖度

忖度という言葉が、国の偉い人から出て、流行語ともなりそうな勢いだ。 確かに、一地方自治体職員として感じるのは、行政の仕事は忖度が大事であるということ。 忖度に忖度を重ねて発言する、文書を作る、政策を作る。これがきちんとできる公務員は有能だと…

【「ウンコな議論」を読んで】

ウンコな議論 (ちくま学芸文庫) 作者: ハリー・G.フランクファート,Harry G. Frankfurt,山形浩生 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/11/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 「On Bullshit」がどうしてこんなタイトルになったのかは…

ビル・ゲイツがビッグヒストリープロジェクトを推進する理由【サピエンス全史を読んで】

先日、広島大学の長沼毅教授のビッグヒストリーに関する講演を聞く機会があり、非常に意義深い話を聞くことが出来ました。 ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史 作者: デヴィッド・クリスチャン,シン…

不倫に走る話【「武蔵野婦人」を読んで】

武蔵野夫人 (新潮文庫) 作者: 大岡昇平 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1953/06/09 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (19件) を見る どうも、今回ばかりは米国と北朝鮮がピリピリしています。こんなしょうもない手記を書いて…

ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか:質を高めるメカニズム【まとめ】

ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか:質を高めるメカニズム 作者: 高松平藏 出版社/メーカー: 学芸出版社 発売日: 2016/08/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る エアランゲン市の魅力とは。メモです。 ・街を鳥…

【「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか?」を読んで】感想

ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか:質を高めるメカニズム 作者: 高松平藏 出版社/メーカー: 学芸出版社 発売日: 2016/08/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る なかなか面白い本で、ドイツのエアランゲン市とい…

【「資本主義の終焉と歴史の危機」を読んで】中国は広い海が欲しい

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) 作者: 水野和夫 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/03/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (48件) を見る ちょっと前に読みました。 私は以前金融商品に親しい世界にいたが、なんとなく金融工学によって…

沖縄戦という事実

沖縄戦という事実について