【「資本主義の終焉と歴史の危機」を読んで】中国は広い海が欲しい
ちょっと前に読みました。
私は以前金融商品に親しい世界にいたが、なんとなく金融工学によって作られる金融商品に常々胡散臭さを感じていた。
本の内容はその胡散臭さを喝破するものなので、アベノミクスだのトランポノミクスだの、なんだかその手の類に疑問を感じる方は読んでいいと思う。
私が金融工学に胡散臭さを感じていたのは、金融工学から派生する金融商品に実物がないからだ。
連動債だのインデックスだの、素人目に見て「ちょっと無理やりじゃね」という商品が当たり前のように取り引きされ、お金を生み出していた。
本の趣旨も概ねそんな具合である。
「これまで平面空間に拡大してきた資本主義が、行き詰まりをみせたため、金融工学を以って立体(3次元)に進出した。(つまり立体とはざっくりいうとデリバティブなどのことである。)
で、その3次元も行き詰まりを見せつつあるので、世界はこれからどう向かっていくのか?」という内容である。
4次元なんてありえない。なんて言い切れないのがこの世界の恐ろしいとこだが、この感じで行くと、なかなかどうして4次元方向への進出は難しそうである。
すると、3次元を無理やり拡張するのか、維持するのか、縮小するのか。そこには世界の政治の力を含めて舵取りをする必要がある。
その方向性を決める場には、世界の富豪、およそ数%の人間しか関わっていないのは歴然たる事実。
残り人類は舵取りの結果と、それに付随して起こる事象を眼前に突きつけられるのみである。
恐ろしや。
落語の話はまた今度。
今週は立川談笑一門会。半年ぶりに行きます!
それでは。