シコウノイッタン

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【「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 」を読んで】自治体の新しい教科書

 

 読みました。
実に丁寧に、これから日本社会に起こりうることが記述されています。
この本は、自治体にとって教科書とされるべき本だと思います。

「著者の考えを信奉しろ」、とかそういうことではありません。
確度の高い未来予測として、逐次、この未来年表と、自治体の動きを見合わせ、
「この本の内容の通り」にならないよう、ひとつの指針・教科書とすべきものだと思いました。

日本の未来というのは、このままで行くと、かなり暗いものになるでしょう。
今の政治家の様子を見ていると、露骨に負担を後の世代に残そうとしていますので、特にこれから生まれてくる世代などにとっては「生まれることがリスク」という強い言葉も、完全に否定はできないかもしれません。

もちろん、そうならないように、(私を含め)地方自治体に関わるものとしては、良い社会づくりにコミットしていきたいとは思っています。
ですが、経済が縮小している以上、行政サービスの縮小は必ず起こります。

そうした中で、「行政に頼らない生き方」「行政に影響を与える生き方」など、(やり様はさまざまですが)一人ひとりが「社会的な個人」としての役割を強く担うことが必然的に必要になってくると思います。

もともとこうした考えを持っていたのですが、この本を読んで改めて現状と未来を再認識することができました。非常に意義深い本でした。

ちなみに、
この手の本によくある、政策提言みたいな後半部分は、微妙な気がしました。
良い部分と悪い部分があるな、という感じです。

以下は、アマゾンの商品紹介からの引用です。これを読むだけで、いかに日本社会がやばいか分かるかと思います。
本は売ってしまいますが、悩んだらここに戻ってこようと思います。

評者:長薗安浩

(週刊朝日 掲載)
内容紹介
日本が人口減少社会にあることは「常識」。だが、その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか?
人口減少に関する日々の変化というのは、極めてわずか。ゆえに人々を無関心にする。だが、それこそがこの問題の真の危機、「静かなる有事」である。

書店には、人口減少・少子高齢社会の課題を論じた書物が数多く並ぶ。しかし、テーマを絞って論じるにとどまり、恐るべき日本の未来図を時系列に沿って、かつ体系的に解き明かす書物はこれまでなかった。それを明確にしておかなければ、講ずべき適切な対策とは何なのかを判断できず、日本の行く末を変えることは叶わないはずなのに、である。

本書が、その画期的な役目を担おう。
第1部は「人口減少カレンダー」とし、年代順に何が起こるのかを時系列に沿って、かつ体系的に示した。未来の現実をデータで示した「基礎編」である。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として提示した。こちらは、全国の公務員・政策決定者にも向けた「応用編」と言える。

これからの日本社会・日本経済を真摯に考えるうえでの必読書!

【目次】

はじめに
第1部 人口減少カレンダー
序 2016年、出生数は100万人を切った
2017年  「おばあちゃん大国」に変化
2018年  国立大学が倒産の危機へ
2019年  IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
2020年  女性の2人に1人が50歳以上に
2021年  介護離職が大量発生する
2022年  「ひとり暮らし社会」が本格化する
2023年  企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
2024年  3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
2025年  ついに東京都も人口減少へ
2026年  認知症患者が700万人規模に
2027年  輸血用血液が不足する
2030年  百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
2033年  全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
2035年  「未婚大国」が誕生する
2039年  深刻な火葬場不足に陥る
2040年  自治体の半数が消滅の危機に
2042年  高齢者人口が約4000万人とピークに
2045年  東京都民の3人に1人が高齢者に
2050年  世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
2065年~ 外国人が無人の国土を占拠する
第2部 日本を救う10の処方箋 ――次世代のために、いま取り組むこと
序 小さくとも輝く国になるための第5の選択肢
1・「高齢者」を削減
2・24時間社会からの脱却
3・非居住エリアを明確化
4・都道府県を飛び地合併
5・国際分業の徹底
6・「匠の技」を活用
7・国費学生制度で人材育成
8・中高年の地方移住推進
9・セカンド市民制度を創設
10・第3子以降に1000万円給付
おわりに 未来を担う君たちへ
結びにかえて