シコウノイッタン

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【書評】『凍りの掌 シベリア抑留記』おざわゆき~漫画の役割とは~

 

凍りの掌 シベリア抑留記(1) (BE・LOVEコミックス)

凍りの掌 シベリア抑留記(1) (BE・LOVEコミックス)

 

 以前、シベリア抑留を経験したおじいちゃんの動画を作りました(宣伝)。

【備忘録】「シベリア抑留を経験したおじいちゃんの記録映像を作った」ときの話 - シコウノイッタン

そんなこともあって、シベリア抑留に対してそこそこ関心を持っている最近なのですが、ようやく『凍りの掌』を読みました。

非常に感じ入るものがありました。

おじいちゃんの話を聞いていたので、おじいちゃんの話を絵で見ているような感覚になりました。

映像製作のとき、私たちのような若い世代も関心が持てるようなわかり易い作りにすることに苦心しました。
おじいちゃんが淡々と語る場面ばかりだと、視聴者は飽きてしまうので、数分置きに場面展開を入れたり、イメージ映像を入れたり……。

一方で『凍りの掌』は、ストレートに「絵」が物語を訴えてきます。
この「直接性」「引き込む力」は、漫画という媒体の凄さなんだと改めて気づきました。(もちろん、おざわ先生の力量に負うところも多いのですが)

『凍りの掌』は、おざわ先生のお父上の話ですが、かなり過酷な体験をされたようです。そうした話を、精細に、漫画という形で残された本書は、とても価値があると思います。本当に細かい体験まで、物語に盛り込まれています。
もちろん、読んでいて面白いことはいうまでもありません。

経験者はどんどんと高齢化し、少しずつ、直接話を聞ける機会が少なくなっています。失礼かもしれませんが、少しずつ、記憶もあやふやになってきます。

そうした意味で、いろいろ急がないといけないですね。
こういう会もあります。ご興味がある方はぜひ足をお運びください(宣伝)。