シコウノイッタン

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【書評】『忘れられた日本人』宮本常一 ~日本人のタイムライン〜

 

忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

 

 近所に、「クラリスブックス」っていう素敵な古本屋があるんです。

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この前初めて行ったのですが、本のセレクトがなかなかツボで、この本もここで買いました。

本の内容としては、地域の古老の「聞き書き」です。
非常によく喋らせているし、語られていることは、民俗学的に貴重なものだと思います。従ってその手の勉強をされている人(というかこの本自体非常に有名なのでわざわざ言う必要もないのですが)には有益な書なのだと思います。

一方で、私のような門外漢からすると、
「かつて日本という国にこんな人たちがいて、こんな暮らしをしていました」程度の理解しかできないので、ここに書かれていること自体は有益な情報になり得ません。
夜這いの話とかがかなり出て来るのですが、真似できるわけないですからね(しかし、夜這いって改めて謎の風習だな、と。不倫が霞んで見えます)。

門外漢にとってこの本は、過去の日本人像を知り、現在や未来の日本人の姿について比較したり、想いを馳せる、といった使い方が有益になると思います。

実際に登場している古老の生き様は、現代人のそれと大して変わっていません。要は社会(自然)の中に、普通に生きて、普通に死ぬのです。

過去であれば、自然とともに生き死にをするし、現在であれば自然と離れた生き死にですが、本質の部分は何も変わりありません。
ただ現代は小道具が増えただけです。

ってな感じに、日本人を抽象化して見つめ直せる本であるような気がします。
適当な感想です、はい。