シコウノイッタン

読んだ本や、映画の話など、偏見だらけの話をつらつらと

【書評】『死者の奢り』〜ヒトとそうでないものの間〜

▼人間か、人間以外か。

読みました。
十数年ぶりの大江健三郎です。

子どもが風邪ひいてまして。
コロナの影響下で育ったせいか、しょっちゅう熱性けいれんを起こすんです。
親としては気が気でないんですが、まぁそんな息子の傍らで久々に再読しました。

あっ、本の内容ですね。
なんと言いますか、久々に読むと面白いんです。
二十歳そこらで読んだ時は、なんとなく格好つけて読んでるきらいもあったんですが、すっかりおっさんとなった今では、案外理解できるようになっている。
大人になるのも悪くないです。

基本的に短編集なので、それぞれの話の記述は避けますが、全編を通し、人間(じんかん)とそうでないものの対立を強く押し出し、その差異から炙り出される人間(にんげん)を小説で活写していく、と。そんな風情で書かれています。

その中の『他人の足』という話なんかは、そのまんま「ブラック・ジャック」に出てきそうな筋書きで、脳内で手塚治虫の映像をドバドバ再生しながら読みました。余計な話ですが。

久しぶりに大江コレクションを引っ張り出して読もうかと思ってる今日このごろです。

▼時間が消滅しかけている

全然余談なのですが、ここ数年、子育てや仕事やなんやの板挟みで全然時間がありません。
ブログもサボりがちだし、読書も映画も全然さわれてない。
ちょっと人生を見直すときなのかもしれない。
というわけで、ブログでのアウトプットは少しづつ再開したいなぁ、と思ってます。
全然余談なのですが。