シコウノイッタン

読んだ本や、映画の話など、偏見だらけの話をつらつらと

【雑記】続・絶賛、パワハラ中(受け身)

遅くなりましたが、引き続きこの話はフィクションです。
 
(前回までのあらすじ)
私、こと、しがない地方公務員・らくごさんは、パワハラ課長から、これまでコロナの発生時期から続けてきた時差勤務を「週2日程度に留めろ」と言われる。ただし、その提案にさしたる合理性はなかったため反論したところ、「反論するなら今後一切許可を出さない」と、役所なのに結構ドストレートなパワハラを迫られ、「週明けにどうするか答えを聞かせろ」、となかば脅されているのであった!



 


 

▼憂鬱な週明け


  件の課長のせいで、ひたすら悶々とする土日を過ごしました。
 どうやって論破しようか様々なシュミレーションを重ねたのですが、「どうせ最後はまたパワハラで押し切るんだろうなぁ」という展開しか想定できず暗い気持ちになるばかり。 
 ただし、色々考えた結果、「私の意思で決めた」という構図にすることは大変危険なため、決定をあちらに委ねる=丸投げ戦法で行くことにしました。
 こんな感じです。
 
 課長「お前の意見を聞かせろ」 
 
私「私は権限を持ち合わせていませんのでお任せします」 
 
……んで、その上で、アンサーが極めて不当であれば、出るとこに出ようと。
   そんな感じで暗澹たる気持ちで、久しぶりに定時出社しました。
  朝一、密室に呼ばれます。 そこでのやり取りは実に簡潔でした。
 

   ▼一方的な幕引き

 
  課長「緊急事態宣言は終わったが、まん延防止措置が残っているので、それが終わるまではそのままの勤務を認める」 
 
 私「……(いや、だから宣言とか措置とか関係なく、組織が働き方改革を見据えて、リモートワークと時差勤務を励行してるだろうが)  
 
課長「以上。まん延防止措置が終わったらもうナシな」  
 
私「……」  
 
課長「それと、お前は不満が顔にすぐ出る。絶対に出すな」
 
  私「……(わざと出してるんです。ごめんなさい)  
 
課長「いいな、絶対だぞ!  
 
私「はぁ……(うざっ!)  
 
という想定を下回る一方的なものでした。最早、問答の余地すらなく、私も辟易してしまいました。

 

 
 

▼遺恨は残るよ、どこまでも

 
 そんなこんなで、旧日本帝国陸軍上層部(失敗のほうの)の延長線に立つような上司とスリリングな関係を続けています。
 もちろん、私が後日、異動願いを出したことについては書くに及ばないでしょう
 
  というのも、その件で遺恨を残したのか、事あるごとに私の仕事をスポイルしてくるんですね。
 
  島耕作の世界じゃねーんだぞ! と、思わず叫びたくなってしまうような邪魔の仕方をしてくるのだが、その情熱を町の発展に使ってほしいです。
 
 ( については第一作「課長島耕作」を読んでくださいね。サラリーマンのバイブルです。)  
 

 ▼私が抵抗を続ける理由 

 
 さてさて、これにて終幕です。
 ここまで、書いてきて、私という人間のスケール感が小さいと思う方もいるかもしれません。
 特に、例えば職人的な世界に身を置かれる方なら、ある種そういう理不尽ありき(勿論ないほうがいいけど)なので、私のやっていること、言っていることは甘っちょろく見えるかもしれませんね。
 もちろん、私も雑誌編集というある意味ブラックな業界にいたので、その辺も承知しています。
 ただし、自治体というのは民主主義を体現しなくてはいけない、と思うんですね。最終的には多数決で決まるのだけど、そのプロセス、プロセスの間に対等な議論が行われて、その議論の終着点としての結論を実施する。それが自治体の仕事の進め方であります。 
 
 もちろん、多分に形骸化しているのも否めないですが、その考え方の根っこをいつも私たちの頭の中に掴まえておかないと、それは専制にも似た仕事になってしまう危険性があります。
 私はそうした考えを大事にしている以上、今回の上司の発言及び行為は到底許せるものではありません。
  だから私は抵抗を続けます。(そして今年で晴れて異動になるのでしょう(喜))

【雑記】絶賛、パワハラ中(受け身)

職場というのは、いろいろ起こるものですね。

 これはフィクションです。

 

▼市役所も時差出勤できる

私は市役所に勤めています。
コロナが問題になり始めた昨年の4月から、当市でも、感染リスクを下げるという観点から時差勤務が実施されました。
といっても、あくまで自主的な時差勤務で、やりたい奴だけやる、という感じのものでした。

私は、家の都合で、一時間ほどかけて電車で通勤していますので、朝・夕のラッシュを避ける目的から、今日に至るまで時差出勤を継続し、通常は8時30分から17時15分の勤務を、基本的に9時30分からの勤務とさせていただいていました。

もちろん、組織の人たちに迷惑をかけない範囲で実施していましたし、業務(例えば議会とか)の都合や人員状況などによっては8時30分に来ることもしばしばありました。

 

パワハラ上司との邂逅

さて、問題はここから。
先日、上司、すなわち課長に呼び止められました。
昔からパワハラ気質で有名な人ですが、運悪く今年から私の直属の上司となり、なんとか目を付けられないように立ち振る舞っていたところでした。

ー以下はだいたいのやりとりー

課長「〇〇(私の名前)。ここで緊急事態宣言も終わることだし、今みたいに毎日、時差勤務するような働き方はやめてほしい。組織が締まらないんだ。」


正直「ついに来たな……」と思いました。変化を嫌う人で、前々から、私の時差勤務を苦々しく思っていたのは知っていたので。

 

私「はぁ……とはいえ、まだまだ電車も混んでいまして、制度がある以上、感染防止の観点から可能な限り続けさせて欲しいのですが……(※緊急事態宣言後も基本的に公共交通機関を利用する職員は時差勤務が励行されている)

 

課長「でも、そんなこといって、ダラダラ続けていたらキリがないだろう。もうここで(緊急事態宣言が)終わりなんだから。ただ、俺も鬼じゃない。遠くから通っているのは知っているから、そうだな……週2回は時差勤務を許してやる。あとは普通に来い」

 

もう意味不明だ。週2ってなんだよ。感染がこえーって言ってるだろ。
この時点で、だいたいの知能レベルが分かったので、作戦変更。
揚げ足とりはせず、下手にでることにしました。

 

私「申し訳ありません。この2年間、プライベートではほとんど電車も乗っていません(本当)。小さい子供もいますし、妻も仕事柄リスクを避けなければいけませんので、そういう趣旨からなんとか、可能な範囲で時差勤務は引き続き継続させていただけないでしょうか」

 

課長「電車で来ている職員は他にもいるのに、時差勤務しているのはお前だけだろ。みんなちゃんと来ているじゃないか」

 

ず、ず、ずれてるー! もうだめだ、コイツ。と思いながら一応まだペコペコする。

 

私「ご迷惑をお掛けしないように柔軟に対応しますので、基本的には継続させていただけませんか。お願いします。」

 

課長「俺はよお、お前との関係性もあるから、強権を振ってまでやりたくないんだ。でも時差勤務はあくまで職務命令だからな。俺がノーっていえばノーなんだ。だからお前が譲歩しないのであれば、俺はもう絶対に許可はださないからな」


「完全にパワハラじゃねーか」、と思ったが、一応制度上はそうなのである。時差勤務というのは形式上、課長が「命令」をして初めて認められる仕組みになっている。
ただ、市が時差勤務を励行している以上、わざと許可を出さないのと、職位を笠に脅しをかけてくるのはグレーだろう。

埒が開かないので、ここで若干揺さぶりをかけてみる。

私「おっしゃることは分かるのですが(本当は分からない)、私が時差勤務を週2日にすることで、どういうメリットがあるのでしょうか? いままで不都合があったのでしょうか? 少なからず、部下からそのようなことは聞いておりません。」


課長「その1時間の間に緊急事態が起こることだってあるだろう。部下がみんな出払ったら誰が職場を守るんだよ」

 

おめーだよ! 

と思いつつ、結局のところ、ただただ、私ひとりだけ時差勤務をしているのが気に入らず、そして私を屈服させて組織の足並みをそろえることが、彼にとっての快感で、それ以上に何もない、と理解した。

そんなこんなでもう少し押し問答があったのだが、コロナなんてのはもう彼にとって関係のないことらしく、何を話しても、「感染リスクを避ける」、という私の行為の目的に対する的確な回答はなかった。

そして、私は黙った。

 

課長「とりあえず、月曜日は普通に来い。それで家族と相談して、お前が答えを決めろ」

 

▼人事は助けてくれない

もちろん、このことは人事に相談をした。
ただし、結局は、時差勤務は課長が所掌する命令である以上、外部は形式的には文句が言えない、と言われてしまった。

多分、私が追い込まれてもこの調子で組織は助けてくれないのだろう。
大分県かどこかの自治体で、告発をした職員が一人職場の反省部屋に追い込まれたニュースがあったが、私もそうなるのかもしれない。
役所の理不尽に立ち向かった者の末路はだいたい悲惨である。

こんなこともいうのもあれだが、私は組織のなかで比較的優秀で、人一倍給料も上がっているし(人事の評価が高い)、同期のなかで誰よりも出世が早かった。
ところが、こんな理不尽なことで躓くとは……まさかこんなやばい職場だとは思わなかった。

もちろん、面従腹背で提案を飲むこともできるのだが、ここは引いてはいけない、と私の信条が訴えている。
ずっと彼はこういうやり方をとってきて、今まで多くの被害者が出ている。住民の福祉の向上に努める者が、こんな前時代的で狭量な価値観でいいはずあるまい。
どこかで歯止めをかけねばいけないと思う。

 

というわけで、もう少し戦って、私はそのあと島流しになる予定です。もちろん、気圧されて日和ってしまう可能性もあるけど……

 

 ▼課長の苦悩(笑)

あとで同僚から聞かされたのだが、この件について課長も結構悩んでいるようで、
「なんでこんなに俺は譲歩しているのに、あいつは分かってくれないんだ。難しい……」
とぼやいてたそうな。

いやいや、論点そこじゃねーよ。
私が朝8時30分に、週三日来なければいけない合理的な理由があれば、私も従うわ……。

 

疲れるわ。

(続く……かもしれない)

 

 

【雑記】続・仕事をやる気がなくなります。

愚痴です。

詳しくは言えないが、管理する業務の関係で、警察が出動するトラブルがあったそうだ。

そうだ、というのは、私はやはり聞いておらず、そして件の部下はまたもや相談も連絡もなく、独断で関連部署と対応を始めたようだ。

しばらくして、私は関係者からその事実を知らされて「〇〇さん、聞いてないんですか?」となった。

普通に腹が立ったが、抑えて、「少なからず警察が動くようなトラブルについては、関係者への連絡の前に内部で共有してくれないか」と伝えた。かなり気を遣った。(でも、正直、目は怒っていたと思う。)

その後、件の部下は休暇届を出して、一言も発せず帰っていった。

こういう事態(部下が帰ること)は十分に予見されたが、この日、敢えて指導を入れたのは、先述のとおり、私を介さない仕事の進め方を百歩譲って認めるとしても(いや、ホントはダメだろう)、今回のような不足の事態すら、そのやり方で進めるのは看過できなかったためだ。
少なからず、これ以上の放置は危険だと私は感じたのだ。

一応、このあらましを先輩に相談したところ「まぁ難しい子はいるからねぇ」とのこと。

あぁ、そうだよねぇ。難しいよねぇ。
今まで4社くらいで働いてきて、こんな人間みたことないけど、そうなんだろうねぇ。

難問。煩悶。

了。

【映画】『1917 命をかけた伝令』~やっぱり、どうやって撮ってるか気になるよね?~


www.youtube.com


見ました。

 

 

 


▼ほぼ全編ワンカットの話題作

ほぼ全編ワンカットでお送りする映像が話題の本作。

ひたすら主人公を追い回すような映像は新鮮で、戦場の追体験という視点から見ても、相応の迫力がありました。

ただし、ワンカット構成にはやはり是非がありまして、私はどうしても舞台裏が気になって物語が頭に入らなかったです。


▼映像への好奇心が、ストーリーを邪魔してしまう……

計算つくされた映像や進行は、見ていて「凄い」の一言なんですが、その凄さが際立つほど、「これどうやって撮影してんのやろ……?」という、好奇心が沸々と沸いてきて、逆にこの映画がリアリティを喪失していく、という「残念な印象」が私の本作に対する思いの全てです。

特に、序盤から中盤にかけての、主人公の一人・トムがナイフで刺されて衰弱していくシーンがあるのですが、トムの顔が見事に土気色を帯びていくんですね。
これは「カメラをもう一人の主人公ウィルにパンしているときに、お化粧してるのかなぁ」とかいろいろと推察してしまって、結構大事なシーンなのに集中できない。

▼臨場感がありつつも、ないような…

そのほか、寄りの主観映像が作れないので、大事な部分で臨場感に欠く、という欠点も感じました。
先述のトムが死ぬシーンも、なんだか客席から劇を見ているような距離感があって、「えっ、これ本当にここで死んじゃうの…? パッと見、傷浅そうだけど……死ぬんかい!」という印象でした。

この辺は、「この淡々とした加減がいいんだよ」、という人もいるかもしれませんが、従前の映像体験に馴染んだ人では意見が分かれそうです。


▼体験としての映像が面白いのでなんだかんだ、見てもいい

長尺回しは、ブライアン・デ・パルマの作品が思い出されますが、これまでアクセント的に用いられるのが常でした。
それらをことごとく覆して一本の作品に落とし込んだ、というのは、なかなか豪胆であり、かつ、その緻密な映像づくりは、一つのマイルストーンとして、歴史に名を残しそうな気がします。
ある意味、何をしても、本作の模倣になってしまうし。
知らんけど。

あとは、TPSの戦争ゲームというのは、広く人気を集めていますが、そういうゲームが監督に強い影響を与えた可能性を私は支持します。
知らんけど。

 

まぁそんなわけで、面白いんだけど、話の内容は頭に入らない、という現場からの報告でした。

了。

【雑記】仕事をやる気がなくなりました。

仕事をやる気がなくなりました。

理由は何個かあるのですが、1番は人間関係。
部下とうまくいかない。


注意するとすぐに職場に来なくなったり、口を聞いてくれなくなる部下なので、有り得ないくらい優しく接しているが、それでも突然無視(というか接触を避けるため、私を居ないものとして扱い、報告も連絡も何もしなくなる)が始まる。

この現象には波があって、年間で8ヶ月くらい、これが持続する。
一方、残りの4ヶ月くらいは、くどいくらい、私の承認を伺ってくる(本来、自分で考える能力はあまりない)。

もちろん私は専門家ではないので断定的なことは言えないが、一応、私の中で、パーソナリティ障害を疑っている。
悪気がある、悪意がある、というのとは全く違って、どちらかといえば、その行為によって自分の安定を保っている感じを受けるからだ。

まぁもちろん、私の能力不足もあるだろうが、正直、いろんな本を読んだり、勉強したことを試しても上手くいかないので、この問題の解決は諦めた。

何れにせよ、それがいかに正しい指導だったとしても、何かアクションを起こすことで、瞬時に心を閉ざし、長期間休んだりして、結果的に私の首が閉まるのがオチなので、ぐっと我慢せざるを得ないのだ。

心の中というデリケートな問題は上司もなかなか理解してくれないのでとても辛い。



さて、こんなことをもう3年も繰り返してきた。
気づけば、こうした積み重ねのせいで、私は職場に行くのが正直怖くなり、仕事にもやる気が起きなくなってきた。


それにしても、SNSでも何でも、世の中にはキラキラしたもので溢れている。

やる気がない=落伍者の居場所はそこにはないし、「やる気がない」ということは、なんだか道徳に背くような落ち着きの悪さを覚えて、私は自分自身の在り方にとても悩んだ。


ただ、今となって私は思う。

大事なのは「今」やる気がない自分としっかり向き合うこと。
そこから目を逸らさないこと。
やる気がない自分を認めること、である。

自分と向き合わない撤退は、無限の頽落への入口である。
それは、少なからず私の望む姿ではない。
だが、きちんと自分を理解した戦略的撤退では、道筋を辿って元の居場所に戻ってこれるはずだ。


さて、ここで大きく話が変わる。
エリック・クラプトンが息子を亡くしたときに捧げた歌で「ティアーズ・イン・ヘヴン」という曲がある。
ところがエリック・クラプトンはある時、その歌を歌うのをやめた。
その理由は、「その当時の心境で居られなくなった」というもの。
その話を聞いて私は「人間の行為には、動機づけが必要だ」と、感じた。

愛する息子を亡くしたことと、私の下らない愚痴(もちろん白髪が増えるくらい悩んでいる)を同列に据えることに違和感はあるが、有り体にいえば、やる気がないときに無理をする必要は、時としてないのだ。

私はそう思い、しばらくは無理をせず働くことに決めた。

了。(なんじゃこりゃ)

【書評】『現代語訳 史記』~孔明の罠で原文が読みたくなる~

▼私の青春? 横山光輝

小学生の頃、転校したてで、全然友達ができなかったときに、横山光輝作品を読み漁ってました。
三国志』はもとより、『水滸伝』、『項羽と劉邦』…などなど、横山光輝が私の原点みたいなところ、あると思います。
でも、数ある作品の中でも、『史記』が大好きでしたね。

さて、前置きが長くなりましたが、読みました。


この本はとても読みやすいので、私のように全ての原文にあたったことのない人でも楽しんで読めるはずです。
(ただし、膨大な史記を全て現代語訳してるわけではないのでご注意を。あくまで、有名どころのエピソードが中心。)



▼エディターとしての司馬遷を考える本

ところで、『史記』が人々を引き付ける理由は、物語そのものはもちろん、登場人物の生き様、またそこから見えてくる教訓などにあると思われます。
ただし、そういう魅力に触れたいのであれば、わざわざこの本は読む必要がないでしょう。
正直、それは横山光輝の漫画でもいいですし、最近私が「kindleUnlimited」で一心不乱に読みふけっていた、これらの作品でも、その魅力は十分に味わえると思います。(kindleUnlimitedの漫画はイマイチなものも多いですが、これは普通に楽しめる)

この本のミソは、「『史記』という書物に、なぜこの人が選ばれたのか」という、エディターとしての司馬遷の視点を大事にしていることです。
話そのものにフォーカスする、という視座を脱却し、司馬遷の視点やその技巧など、より俯瞰的に『史記』を分析することで、従前の楽しみ方とは別の見え方を与えてくれます。
故に、読者の『史記』感に奥行きを与えてくれる、そんな本になっていると思います。

作者はキーワードとして「登場人物のキャリア」という言葉を挙げています。
史記』に名を残した人たちが、どういう立ち位置で、どう立身出世していったのか、そしてその生き様の魅力とは何か。
こういった少し変則的なアプローチで、『史記』を楽しんでみるのは一興です。気になった人は読んでみるといいと思います。
抄訳ですが、登場人物は多種多様です。武芸に優れたものもあれば、策略に富んだものもいる。義侠の徒もいれば、復讐鬼もいる。一芸に秀でたものもいれば、口先三寸でのし上がるものもいる。
有名な話も多いとは思いますが、本書を読むと、これまでとは少し見え方が変わってくるはずです。

さてさて、本書は2時間もあれば読めるので、通勤・通学のお供にどうぞ。
このライトな読後感、嫌いじゃありません。

そして、読み終わったころには、原文に当たりたくなっていること間違いなし!

なんか回し者みたいになってしまいました。

【書評】『社会保障入門』~身近なようで結構遠い~

社会保障入門 シリーズ ケアを考える (ちくま新書)
 

 

読みました。

 

なんとなく漫然と支払っている我々の税金は、いったいどのような形で還元されるのか(もちろん、その使途は社会保障だけではないけど)。

そういう、ある意味知ってて当たり前だけど、多くの人が詳細まで知らないのが社会保障制度。 

それらを、入門と銘打ちわかりやすく解説しようという本でした。
 

 

 ▼たしかに入門なんだけど…

 本書の一番のセールスポイントは、社会保障と呼ばれる、年金、健康保険、児童手当、障害福祉生活保護の制度について、アウトラインだけでもまんべんなく知ることができることでしょう。

こういうのは、当事者にならないとなかなか知る機会がありませんが、どこかで絶対に当事者になるわけですから(そのために国民全員から徴収するわけで)知っておいて損はない知識です。

あと、社会保障制度の変遷についても結構触れられていまして、特に若い世代なんかは、これから年金がどうなる、なんてことも知る機会になるでしょう。

まぁ総論として、国は、給付抑制の方向に動いているので、知ったところで、何よりも「自衛」が大事なのは間違いがありませんが。

 

一方で、文章にはあまり魅力がありません。如何にも学者さんが書いた本という感じで、わかりやすくしようという意思はかろうじて感じますが、硬い。固い。

読んでて決して面白くはないと思います。
その辺が、私はちょっとしんどかったですね。


▼ 政権批判も含んでちょっと読み心地も悪い

あと、社会保障関連をガンガン切り捨てた安倍政権が嫌いなんでしょうね。そういうヘイトを文章の端々に感じて、安倍さんが好きであろうがあるまいが、何となく心地の悪い文章になっています。
事実、私も安倍政権、というか自民党政権はどちらかといえば否定的な立場なんですが、そんな私でも、なんだかこの書きぶりは気になる。
あと、( )書きの文章の末尾にやたらと「!」をつけるのですが、癖なんでしょうか。
編集の意図が読み取れません。
本書は、基本的に、社会保障制度について淡々と語る、というテイストなんですが、突然「!」をつくと、そこに主観的なものを感じ取らざるを得ません。
このあたりが、読み手である私を大いに惑わせました。

 

 ▼社会保障を手厚くするのは理想だけども

 まぁ、そんな私の戸惑いはさておき。
本書は全体として、「社会保障については、抑制ではなくもっともっと手厚くして、憲法25条の趣旨を存分に実現できるよう、国は注力すべきだ」、という結論を導きだしていています。 

その結論は当然間違ってはいないのですが、そうなると、福祉特化の社会なので、北欧並みに消費税やら何やらを上げざるを得ないような気がして、私としては正直気が気でありません。

加えて、日本の政治は、なぜか決まって約束を反故にして、税を正しい使途に使わなかったりするので、税が上がったところで、その分の還元がきちんと成されるかどうかは非常に不安であります。
税金だけ上がって還元されない。結構あると思います。

 

本書は入門ということなので、基本的な制度の説明に終始し、財源の話を端折っているのですが、いかんせん、書いてあることだけ読むと、ないものねだりをしている印象が残ってしまって、よろしくないですね。
その辺の根拠も示してほしかった。

 

ともあれ、この国の人口動態を見ていると、あんまり明るい兆しはないですし(ひょっとすると2040年くらいから老人が減るので収支改善に向かうかもしれませんが)、「それが出来る人間は基本的に社会保障に頼らなくても良いようにリスクヘッジに努めるべき」、というのが私の結論です。
まぁ、これは主に年金の話なんですけど。

なんか大分ディスってしまった気もしますが、お勉強するには良い本ですよ。面白くはないけど。

 

さて、また明日から頑張って納税しますかね。
皆を支えます。

 

 

社会保障入門 シリーズ ケアを考える (ちくま新書)