ブレードランナーファイナルカット
言わずと知れた映画。いま続編が公開されようとしている。
私は原作にあたる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をいま読んでいて、いたく面白いので、映画も見てみた。
そもそもこの一連の作品を手に取ったのは、ここ最近耽っている現代思想の影響が強い。
アンドロイドと人間を隔てるものとは何か。それは現実世界を生きる人間とその他の生物の対比でもある。
なぜ我々は他の生物を駆逐し、自然を破壊し、生命を謳歌していいのか。
我々はこうした問いに対して、明快な答えを出せていないように思う。
映画「ブレードランナー」はこうした迷いを助長する映画として作られている。
一応、アンドロイド対人間という構図はあるが、見ているもの全てが、それを善悪という二項に当てはめて見ることができないだろう。故に主人公も応援できないし、レプリカントも応援できない。モヤモヤする。
でもそうだ。我々が持っている境界は極めて曖昧なのだ。それを社会構造の中で、多数者の論理を会得し振りかざしているに過ぎない。そうした気づきを与えてくれる。
いやはや、日本をフューチャーしたスチームパンク的な世界観から、この作品はカルト映画扱いされることもあるが、深いテーマの作品でした。