【「ウンコな議論」を読んで】
- 作者: ハリー・G.フランクファート,Harry G. Frankfurt,山形浩生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/11/09
- メディア: 文庫
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「On Bullshit」がどうしてこんなタイトルになったのかは理解が及びませんが、この本を今読み進めています。
読み進めたきっかけは、フランクファー卜が格差について語った言葉との出会いです。フランクファー卜曰く、「格差が問題なのではなく、十分行き渡っていないのが問題である。」
フランクファー卜は、昨今幅を利かす格差論に、この言葉を以って対抗しました。私もその通りだと思っています。
先日、山手線でセレブ感のあるご婦人たちが美味しい(のかよくわからないけど)ワインについて大きな声で語っていた。私達は金持ちです、という意思表示が言外にもありありと伝わってきた。
その横で、こう言っちゃなんだが、いかにも金は持ってなさそうな、野球帽を被って発泡酒を飲んでるおっちゃん二人組が、「今日の麻雀は楽しかったねー」みたいなことを話している。
両者の経済的格差は歴然だが、幸せの総量は変わらないように見えた。
両者には行き渡っている。
行き渡っていることは、金銭の格差を超越していく。
これはコミュニティの関係性に於いても往々にしてそうで、個の、自由の時代だからこそ、コミュニティが崩壊し、行き渡らなくなった人が増えた。そうした結果、幸せを測る単位として、金銭的な格差にフォーカスするようになった。
そうした側面もあるように思う。
もちろん、餓死寸前の人々が多数の途上国もあるから、このことを一概に語ることは難しいけれども、先進国に於いては結構当てはまるんじゃないかと思っている。
お酒のせいか、今日は一段とひどい内容で、すみません。