シコウノイッタン

読んだ本や、映画の話など、偏見だらけの話をつらつらと

志ん朝落語の好きなとこ

まぁこの辺は意見が分かれますし、不毛な議論を避けたいところでありますが、

私の好きな志ん朝のところは、やっぱりサゲの部分。

 

すごくあっさりしているところ。
初見の人は、噺が終わったのか、終わってないのか分からないんじゃないかと思う。

一方で、すごく溜めに溜めて、どーんと最後を語る落語さんもいる。
でも、それって時にあざとく映るし(ほとんどの人はサゲを知っているわけで)、なんとなく興ざめをしてしまうときがある。

落語は話芸の一つであって、そうした感情を抱かせるというのは、やはり芸として未完成なのかなって思うときがある。

そうした意味で、志ん朝の落語は、一種の極致にあるのかなぁと深夜のたわごとでございます。


今週のお題「2016上半期」私的ベスト落語

今週のお題「2016上半期」

 

いやまぁ、2016年というか、2015年あたりから人生が過酷なんですね。
ある引退プロレスラーが、「人生は死闘です」とことあるごとく語るように、私の人生もそれなんですね。

それでも人生にイエスというために、フランクルの本を買い漁ってみたり、なんとかかんとか試みるんですが、なかなかハードなわけです。

だけども、人生にノーとも言えないわけです。そしたら自死しちゃうことになりますからね。

そんな訳で、今年上半期のベスト落語は、古今亭志ん朝の「文七元結」です。

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50両をすられたことで吾妻橋から身投げをしようとする文七。
そこを通りかかった長兵衛は、娘を吉原に預けて作った50両を貸してしまう。
喜んで、というか首の皮のつながった文七は、お店のご主人のところに帰って50両を渡そうとする。ところが、実際には文七の50両はすられてなどいなかった。ただ途中の店においてきてしまっただけなのだ。
お金を返すために方々手を尽くして長兵衛を見つけるが、江戸っ子の気風のよさを字でいくが如し長兵衛はお金を受け取らない。ちゃんちゃんばらばらありまして、最終的にお金を受け取る長兵衛。一方、ご主人は、むかーし吉原でよく遊んでいた関係で、長兵衛が娘を担保に50両を手に入れたことを水面下で調べていた。
そして、今回の縁が元で長兵衛のところに文七を養子に出した。そして、その祝いの席に件の娘、お久を引き戻す粋な計らいをするのだった。
そしてその後、文七とお久は結ばれ、元結の店を開いて幸せに暮らすのでした。

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志ん朝のお得意?の人情話。
つらい時はこれをかけます。

月例「立川談笑一門会」

吉祥寺で毎月行われている立川談笑一門会(20160428)に行ってきましたよ。

東京の西の方に住んでいる私にとっては、とても行きやすい高座の一つで、毎月楽しみにしています。

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笠碁(落語)あらすじ

さらりとした友達同士の噺

笠碁、という話は華やかではないですが、ウィットに富んでいる感じがあって好きな噺です。

「あらすじ」

ある囲碁好きの男が、隠居に碁の指導を受けたとき、

「待った、は無しだ。そんなことをやっていると上達しない」

と言われる。

男は、その指導のもとに、友人である碁仇と、待ったなしの一局を打つことにした。

ところが、男は待ったをかけてしまう。

それが原因となり、口論になってしまう二人。

結局喧嘩別れになり、しばらく顔を合わせないでいたものの、

あくる日、待ったをかけた男は自分の非を認めた。

そのまま謝るのはどうも決まりが悪いものの、とりあえず碁仇の家までいくことにした。

外は雨。傘を差そうにも家に傘はない。

そこで玄関脇にあった菅笠をひょいとかぶって相手の家に向かう男。

一方、碁仇のほうも先日の喧嘩をちょいと反省。

男が前を通りかかったら、呼び止める用意でいた。

そこでお互いが結局鉢合わせ。

すったもんだしつつ結局は碁盤を囲んで仲直り。

ところが指そうとすると、碁盤の上に水がぽたぽた。

「いけね、菅笠をかぶったまんまだ」

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という噺。強いオチもないけれども、掛け合いが楽しい。

 

枕には、「碁がたきは、にくさもにくし、なつかしし」

碁将棋に関わる争いは、すぐに仲直りし、喧嘩すればするほど仲良くなる、といった話が振られるようです。

 

「素人、落語と出会う」

なじみの薄い伝統文化、落語

 あらかじめはっきりさせておくと、私は素人なので、その辺はご承知おきください。過ちはご指摘いただけると幸いです。

 私は今、32歳なんですが、落語との出会いは一昨年、2014年のことです。

友達に誘われて、新宿の末廣亭に行って、初めて落語に触れました。

 東京には、定席(決まった場所で毎日行われる寄席んこと)が、

上野の鈴本演芸場

池袋の池袋演芸場

浅草の 浅草演芸ホール

そして、新宿の新宿末廣亭

 とあるんですが、基本的に、行ったことがあるっていう人のほうが圧倒的に少ないでしょうね。

だって寄席って入りづらいんだもの。どこにあるかわかんないし。

 あぁ、そのとおりですね。建物の面構えといい、場所柄といい、知らない人には敷居が高く感じられます。私もそうでした。

「木戸銭?」「午前の部?」「本日の主任?」

 意地悪してる訳ではないですが、聞きなれない言葉も多く、一見で入るにはなかなか勇気がいります。

 とはいえ、初めての際、入り口で逡巡するのは、パチンコだろうと風俗だろうと一緒。勇気を出して木戸銭=入場料を払うと、なんともいえないあの寄席の空気が待っているんですよ。

 お試しアレ。

 

手始めに、「素人、落語と出会う」という話でした。