シコウノイッタン

読んだ本や、映画の話など、偏見だらけの話をつらつらと

保毛尾田保毛男について、私がゲイの方から聞いた言葉

news.yahoo.co.jp

なんだか、この論争が終わらずヤキモキします。

実は先日、LGBT当事者によるシンポジウムを聴講してきました。
その場では、シンポジストでもあるゲイの方が、保毛尾田保毛男について語っていました。
そこで語られていた言葉こそが、メディアのフィルターを介さないゲイの人のまっすぐな意見であり、本音でした。
その方の言葉をここに記すことで、少しでも当事者の声が広がればと考えています(メモと頭の中にある内容なので、若干正確性に欠ける表記があることをご承知おきください)。

(ゲイの方の意見1)
保毛尾田保毛男が流れることで、カミングアウトできず傷付いている子供の傷を助長する

「テレビでああした風貌が流れることで、傷つく子供がいるはずである。割合だけで話すと、LGBTの方はクラスに1~2人はいる計算です。カミングアウトできずに悩んでいる、または性別に違和感を感じる子供がいるなかで、あの番組が放映されることはそうした子供の傷を悪化させることである。それは当時も同じことだった」とのことです。

(ゲイの方の意見2)
保毛尾田保毛男を笑いの対象とすることで、ゲイを「笑っていい」という免罪符を与えてしまうことの恐ろしさ

「公共の電波に乗ることで、(特に子供を中心に)ゲイは笑っていい対象、笑いの対象としていいんだ、という風潮、空気の生まれる怖さがある」とのこと。

 

▼まとめ~当事者の話は直接聞いて、自分で考えよう~


本当はもう少し話は細々とありましたが、総括するとネガティブな反応です。当たり前だと思います。
一部のメディアでは、当事者も「当時を思い出してゲラゲラ笑った」「気にしない」という記事がありましたが、そうした意見とは程遠い意見を、直接聞くことが出来ました。

いろいろな主張があり、当事者不在で代理戦争のような様相すらあるこの論争ですが、ぜひ直接当事者の人に話を聞いて、自分の中で意見を醸成してもらいたいと思います。

共生社会の大前提は、「お互いの存在に対する理解を深化させる」こと。この一点に尽きると思います。
他者を理解しようとすることを止めた時点で、共生の歩みは止まることになります。そうした意味で当事者の話を聞けた今回は大変有意義な経験となりました。
最後、少し偉そうに意見を述べましたが以上です。

【「失敗の本質」を読んで】組織は全然成長しないよ。インパール作戦だよ。

 杜撰なインパール作戦とは

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

 今はこの本を読んでいます。
第二次世界大戦時の敗戦の理由を、日本軍の組織面から考察し、その普遍的要素を現代社会の組織にも当てはめ、問題の表出を図ろうとする本です。

と言っても、私がわざわざ説明するまでもないほど有名な本なので、細かい本書への評価は避けます。(しかもまだ読んでる途中だし)。

本書の中で紹介される数ある失敗の中で、やはり衝撃的なのは「インパール作戦」でしょう。実は読むまで詳しく知らなかったのですが、あまりにも無謀な作戦でした。

インパール作戦 - Wikipedia

インパール作戦」では、戦略的合理性よりも、情緒が重んじられ、都合の悪いことは起こらないとする正常化バイアスで、欠陥だらけの作戦を全肯定しました。
敗退は当然の結果で、多くの兵士を死に至らしめました。(最終的に指揮を執った牟田口中将は、解任されるも、そのままのんびり生を全うできるというのがなんとも……)。

現代でも幅を利かすパワープレイ

こうした情緒先行の作戦発案、陣頭指揮、「どっかで見たことあるなぁ」と思ったら、職場にありました。
ええ、今でも元気に生き残っています。

インパール作戦における、牟田口中将のやり口というのは、執拗な精神論によるパワープレイでした。
もう、「周囲が止めても無駄だ」と諦めのムードを作ることに彼は執心しました。
考えると、これは打算そのものなんですね。
方法論として、彼はこの道筋を体得していたんでしょう。
そうこうして、当初反対だらけだったこの作戦を実施しました。

さて、話を現代に向けると、日ごろの業務においても、「止めても無駄だ」と思わせる状況に、私は嫌というほど遭遇します。
個人的に、一度パワープレイに味を占めた指揮官は、それに味をしめるようになる気がします。
でも、これをやると、忠臣が駄目になり、佞臣が幅を利かすようになるんですよね。

三国時代末期の蜀のアレです。
黄皓のせいで劉禅はブクブク太って、蜀が滅んじゃうアレです

パワープレイというのは、「抵抗」があるから「パワー」がいるわけです。
水の流れに沿うような自然体の決断には、結果的に摩擦が生じないので、いかに独断的な決断であっても「パワープレイ」になり得ません。
流水に沿うような決断は、非の少ない合理的決断だと考えていいと思います。

パワーが必要なところには議論を

一方で「パワー」が必要な所には、議論の芽が育っています。
その芽を、どういう風に調理するのかが指揮官の腕の見せ所です。

個人的には、徹底的な議論のうえ、コンティンジェンシープランを含めた「合意」を生み出すべきだと考えています。
もちろん、議論していくのはめんどくさいし、時間も掛かるのだけど、これをサボりだす組織は、かなり内部崩壊が進んでいるような気がします。


皆さんの組織はどんなでしょうか?
私はいろいろ議論がしたいタイプなのですが、いつも職場でウザがられます。(今日も一般論ばかりですみませn)

【本の自炊は自炊という「行為」にこそ価値がある】自炊代行業者を使ったり、自分で自炊をしてみた話

突然ですが、家が狭いもんで、書籍の自炊に取り組むことにしました。ふっと決めたんです。

①自炊代行業者でとりあえず漫画を自炊

まずは、漫画100冊を、自炊代行業者でPDF化しました。
「漫画スキャン王」という業者です。

mangascanoh.com

結論からいうと、何の問題もありませんでした。
1冊80円くらいで、100冊なので送料込みで1万円、2ヶ月くらいかかりましたが、綺麗なPDFに姿を変えてわが子たちが戻ってきました。

自炊した漫画は、そんなに読まない漫画たちです。
ちなみに、自炊した後は、一回も読んでいません。

②スキャナを買って家で自炊

次にスキャナを買って家でやることにしました。
自炊の定番といえば「ScanSnap iX500」ですね。まずは「Amazon」でポチリ。 

富士通 ScanSnap iX500 (A4/両面)

富士通 ScanSnap iX500 (A4/両面)

 

 って、思ったのですが、4万円もするんですよ。これ。

でさらに裁断機(8000円)を含めると、イニシャルコストはなかなかのもんですね。

カール事務器 裁断機 ペーパーカッター A3対応 40枚裁断 DC-230N
 

 これから自炊をやっていこうという人は、この時点で少し冷静になるべきなのかもしれません。
そもそも、自炊というのは結構めんどくさい行為なので、途中で頓挫するかもしれないし、そもそも、ある程度自炊が完了すると用済みになるかもしれない道具なので、自分の使い方をよく想像した方がいいと思います。

私は、家に300冊の漫画と100冊程度の書籍がありますが、大切な本は、紙で残したいので、そんなに使わないと判断しました。
なので、こいつを中古で買いました。4500円。やっす。 

 「Amazon」とか「価格.com」とか見てると、辛らつなレビューが購入を躊躇させることがしばしばですが、そもそもレビューとかマメに書いている人は、重箱の隅をつつくのが好きな、性格のネチネチした、イヤな人たちばっかりなんですよ(偏見)。

いい加減な人は、いい加減な製品でも、いい加減に付き合っていけるんですよ。
それが偉い人には分からんのです。

『映像の発色が…旧モデルに比べると…チップのスペックが…』
うるさい、黙れ。お前ら一生、Apple Storeの前でキャンプしてろ。

という訳で、4500円のスキャナ最高です!
全然使えます。

スキャンの画質?

そんなもん、どうでもいいんですよ。
どうせ、ろくに見ないものをスキャンしてるだけだし。

という訳で、自炊代行業者にお願いしたものと同じく、自炊した後は、一回も読んでいません。



【結論】自炊は、物が減ることの爽快感に本質がある

電子書籍は存在を知覚できないので、ついつい、その存在を忘れてしまいがちです。
そういえば、kindleでこんな漫画買ってたな、、、なんてことしばしばです。

そこから逆説的に考えると、忘れてもいいから電子書籍化するんだと思います。どうでもいい本とか。
実際、私は電子化したものに一回も手をつけていません。
だってめんどくさいんだもの。
やっぱ紙のダイレクト性こそ至高。

そうした意味では、自炊とは、断捨離に近いものがあるなぁと感じた次第です。

今日もまた共感の得られぬものを書いてしまった。お目汚し、本当にすみません。

【「戦略思考の広報マネジメント」を読んで】広報としてどれだけ社会課題に対して真摯になれるか

 

戦略思考の広報マネジメント

戦略思考の広報マネジメント

 

 先日、この放言ブログに、吉祥寺の某ココマルシアターのことを書いたところ、妙にアクセスが増えました。
普段、アクセス数が5とか(しかもクローラーじゃないのか。。。)なのですが、100とか。皆さんの#ココマルシアターへの関心の高さを感じた次第です。

相変わらず、劇場の対応はグダグダのようですが、引き続き頑張ってほしいものです。

そんなオーナーさんにも読んでほしいのが冒頭の本です。
電通パブリックリレーションズの人々が作った、現代版の広報の教科書といったところ。
良くも悪くもリーディングカンパニーを通じた現代版の広報セオリーが書いてあります。
具体的にどう行動に写すか、どう自社に当てはめていくかは、状況に応じて変わってきますが、勉強にはなります。
ただ、旧態依然とした日本企業では、そもそも広報に対する見方を変えなくてはならず、私の組織も含め、なかなか実践に程遠い部分もあると感じました。

現代の広報の概観を掴むには良書だと思います。

(こっからはただの備忘録券メモになります)

【チャプター1】なぜ広報に戦略が必要なのか
⇒広報戦略は、企業の背骨であり、一貫した姿勢が必要である。
⇒目的の明確化が必要になる。
⇒社会的思考で合意形成を図る
情報の受け手にたち、切り口や文脈を工夫する。そして自社の自己主張だけではなく、社会状況を概観しながら、社会の課題や業界の動向を取り込んでいくことが重要。
↑非常に勉強になりました。

【チャプター2】戦略的広報活動に必要な8つの視点。
①情報収集力
②情報分析力
③戦略構築力⇒ステークホルダーや時宜に応じた戦略の構築
④情報創造力
⇒IMPAKT(I=Inverse=逆説、対立構造=廉価VS高価)
(M=Most=最上級、初モノ、独自)
(P=Public=社会性、地域性)
(A=Actor=役者、人情=社長が地域で掃除など)
(K=Keyword=流行語などに沿った内容=育メン)
(T=Trend)
⑤情報発信力
⑥関係構築力
⑦危機管理力
⑧広報組織力

【チャプター3】以降は具体的企業の事例。
〔引っかかったワード〕
・情報は一気にださないと気泡になる。
・プレスリリースの前に人間関係が大事
・企業のトップが出ると本気度が伝わる。
・絵が撮れるかどうか。
・社会情勢に合致したリリースが大事
・ニュースとその因果関係の意識(チキンバーガーがたくさん販売される裏にBSEなど)
・自己主張ばかりのリリースはだめ。
・ヤフーニューストピックスは二軸〔公共性の高いものと、人々の関心が高いもの〕
・企業の広報に足りないのは行動力〔言い換えると、その情報をどこまで責任もってこたえるかの強さ〕
・スタバでは、社外へのメッセージを広報が一元管理。これにより統一されたメッセージを送ることができる。
・広報はタイミングがすべて。季節、イベント
・広報はもっと外に出なくてはいけない、うちに閉じこもるのはNG
・危機管理では日ごろの備えが重要だが、真摯に向き合い、スピードと誠実さを意識。
ソーシャルメディアでは反論、意見しない(火が燃え上がるだけ)
・自分たちの想い、いい訳めいたことは話さない。事実を誠実に。


【8/22追記】「吉祥寺バウスシアター」をしのびつつ、「ココロヲ・動かす・映画館 ◯」を臨む

【やっぱり謎対応が多いので最新の動向だけ追記しました】

かつて吉祥寺にあった「バウスシアター」でよく映画を見た。
ほどよいサイズ感(個人的にとくに50席くらいのシアター3が好きだった)と、作品のチョイス、そしてメンズデーの設定が嬉しくて、月2くらいのペースで通ったものだった。

バウスシアターの閉館以降は、なんとなく映画に対する熱が冷め、映画館で映画を見ることはめっきりなくなった。というか映画自体見なくなった。

Hulu、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオなど、数々のストリーミングサービスと契約しているが、まず映画は見ない。
途中で集中が切れたり、2時間の確保ができなくて見きれないことが多くなった。

その辺りを考えると、映画館は「人を映画に誘う舞台装置」であって、(その人にしっくりくる)良い舞台装置がないと映画はなかなか成立しないのだなぁとしみじみ感じる。
私だけかもしれないが。

そんな悲しみの吉祥寺に新しい映画館ができるという話を、2017年の初頭くらいに聞いた。
名前は「ココロヲ・動かす・映画館 ◯」。なんとも不思議な名前だ。
そして、私は、バウスシアターの消えた悲しみを埋めてくれるかもしれないこの映画館をとても楽しみにしていた。

www.cocomaru.net

 

残念なくらいに空気が読めない

ところが、度重なる開館延期(記憶に頼るが4月オープン予定→GWオープン予定→8月末オープン予定※延期決定)と、どうにも難のあるコミュニケーション手法で、評判が芳しくない。

なかでも、はっきりしているのが、SNSの利用に於いて、まったく空気が読めない(大きな出来事に関してはネットで検索すればすぐに出てくる)

ちょっと具体例を挙げると……
・ポストに対して、リプライがない。
・特に手厳しい意見に対してはスルーを徹底している。(この映画館は今時らしくクラウドファンディングで資金調達をしており、その出資者たちが特に厳しい批判をしている様子が伺える)
・前回のポストで宣言したことがすぐに覆る。
・謝罪のポストをしたかと思いきや、次のポストは宣伝だったりする。

FB等で一連の流れを見ていると、誠実さを欠いた対応と思われかねないケースが散見される。

そのせいか、この「ココロヲ・動かす・映画館 ◯」でツイッター検索すると、定点観測を続ける(やや批判的な論調)人も見つかる。

本来であれば、これは期待の裏返しであるし、こうした言葉に真摯に答えるべきだと思うのだが、館はスルーを続けているようだ。これではヤキモキする。期待が翻って憎悪の連鎖になってしまう。

一時期、この映画館で「広報・企画」のボランティアを募集していた。この綱渡り的なコミュニケーションにヒヤヒヤしていた私は(一応PRプランナーなので)協力しようか、とも考えたが、結果的にやめた。
そもそも「広報・企画」という中枢をボランティアで動かそうという考え方に賛同できなかったからだ。言ってしまえば、ボランティアに対する「やりがい搾取」の臭いを感じた。


と、感じてやっと、「私が勝手にこの映画館にバウスシアターの影を重ねていた」ことに気づいた。
なんだかダサいJ-POPの歌詞みたいだが、そんな人、たくさん居るに違いない。

映画は、映画館と渾然一体となったとき、真に豊かな鑑賞経験を与えてくれる。
私にとってバウスシアターはそんな映画館であった。

どうしても期待値があがってしまう部分はあるが「ココロヲ・動かす・映画館 ◯」もそんな映画館になって欲しいなぁと思いつつ、なんとなく長続きしなそうな気もしている。

(想像に過ぎないが、長引く工事で、損益分岐点をもうかなり下回ってるのではないだろうか)

 

【8/22追記】
8月20日に、オープン延期のお知らせを出されている。

[http://:title]

そして、8月22日には楽器演奏スタッフ?を募集されている。

[http://:title]

舌の根も乾かぬうちに、この切り替えは。。。やはり、ちょっと、いや圧倒的にヘンである。

【2017年8月13日 矢来町土曜早朝寄席】桂宮治さん出演

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久しぶりに、神楽坂の早朝寄席桂宮治さんの落語を見てきました。

今、飛ぶ鳥を落とす勢いの宮治さんなので、早めに、と開場(午前9時30分)と同時に入ったのですが。。。。

すでに8割はお客さんがいる。。
皆、きちんと人間生活送れているのだろうか。。。

と勝手に心配になりました(宮治さんの話だと、9時前からお客さんが並んでたそうです。「この高座はそうまでするもんじゃないよ」、と宮治さんが言っていましたが、そのとおりだと思います笑。)
私も同じ穴のムジナですが。

とはいえ、わずか1000円で落語が聞けますからね。
矢来町土曜早朝寄席。あまり人におすすめしたくないけど、おすすめです。

yaraichosochoyose.at.webry.info

 

結局、あまりの客足に、ありったけの椅子を持ち出し、椅子の間隔を詰め、なんとか約80人のキャパを確保。
満員札止めと相成りました。すごいですね。

高座も、相変わらずパワフルな落語で笑わせてもらいました。
演目は、
皿屋敷
「壷算」
「お台場~母さんのお弁当」

最後は新作でしたが、古典のイメージしかなかったので、少々びっくり。
宮治さんは、マクラも噺も面白いので、ぜひこれからも追いかけていきたいですね。


という、何のひねりもない感想文で今日はおしまいです。
(了)

 

【「石原都政副知事ノート」を読んで】過激発言に隠れたもうひとつの石原都政

 

石原都政副知事ノート (平凡社新書)

石原都政副知事ノート (平凡社新書)

 

 ひょんなことから本書を読むことになった。
石原都政時代、私は大学生(しかも山梨に住んでいた)~社会人という過渡期にあった。

都政はおろか、国政にも興味がない、どこにでもいる一般人であったように思う。
従って、石原都政のダイナミズムを感じることなく、せっかくの時代の傑物を見過ごしてしまったことに今や後悔もしている。

石原都知事の印象はやはり、メディアを通じて流されるファシスト的な言動が思い浮かぶ

ところが、本書を読むと、そうしたイメージは必ずしも正しくなく、やはり彼は生粋の政治家であり、東京都というマスの未来をきっちり見据えた人であったことが分かる。

その目線は、皆が想像する以上に、自治の目線であり、自立の目線である。ファシスト的な側面が一人歩きし、彼の本質的な思考がうまく大衆に伝わっていなかったことは、政治の難しさを物語っているように思う。

最後に石原氏を表現するに、著者は以下のウォルター・リップマンの言葉を引用している。

「直接的な政治闘争は本能的な知恵、力、証明不能の信仰を大量に必要とし続けるであろう」

「理性はそうしたものを規定することも統制することもできない」

彼はそれを体言していた、と。
細かい技術を紹介するビジネス本も大事だと思うが、こうした大人物の哲学に触れることも重要だと改めて認識した次第である。

 

本書は、非常に面白い一冊だった。
役人の書く文章はとかく読みづらかったり、詰まらなかったりするのだが、この青山やすし氏の文章は上手い。

話の運びがスムーズで、かつ随所にそのエピソードが読者に想起できるような小道具が丁寧にちりばめてある。
最後に著者の肩書きを見ると、作家としても活動しているとのこと。
納得いたしました。


もうすこし行政組織について書こうと思ったのだけど、文章もブレブレで頭がだめなので、また今度にします。気が向いたらリライトしよう。


夏休みの読書感想文でした。