シコウノイッタン

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【2017年8月13日 矢来町土曜早朝寄席】桂宮治さん出演

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久しぶりに、神楽坂の早朝寄席桂宮治さんの落語を見てきました。

今、飛ぶ鳥を落とす勢いの宮治さんなので、早めに、と開場(午前9時30分)と同時に入ったのですが。。。。

すでに8割はお客さんがいる。。
皆、きちんと人間生活送れているのだろうか。。。

と勝手に心配になりました(宮治さんの話だと、9時前からお客さんが並んでたそうです。「この高座はそうまでするもんじゃないよ」、と宮治さんが言っていましたが、そのとおりだと思います笑。)
私も同じ穴のムジナですが。

とはいえ、わずか1000円で落語が聞けますからね。
矢来町土曜早朝寄席。あまり人におすすめしたくないけど、おすすめです。

yaraichosochoyose.at.webry.info

 

結局、あまりの客足に、ありったけの椅子を持ち出し、椅子の間隔を詰め、なんとか約80人のキャパを確保。
満員札止めと相成りました。すごいですね。

高座も、相変わらずパワフルな落語で笑わせてもらいました。
演目は、
皿屋敷
「壷算」
「お台場~母さんのお弁当」

最後は新作でしたが、古典のイメージしかなかったので、少々びっくり。
宮治さんは、マクラも噺も面白いので、ぜひこれからも追いかけていきたいですね。


という、何のひねりもない感想文で今日はおしまいです。
(了)

 

【「石原都政副知事ノート」を読んで】過激発言に隠れたもうひとつの石原都政

 

石原都政副知事ノート (平凡社新書)

石原都政副知事ノート (平凡社新書)

 

 ひょんなことから本書を読むことになった。
石原都政時代、私は大学生(しかも山梨に住んでいた)~社会人という過渡期にあった。

都政はおろか、国政にも興味がない、どこにでもいる一般人であったように思う。
従って、石原都政のダイナミズムを感じることなく、せっかくの時代の傑物を見過ごしてしまったことに今や後悔もしている。

石原都知事の印象はやはり、メディアを通じて流されるファシスト的な言動が思い浮かぶ

ところが、本書を読むと、そうしたイメージは必ずしも正しくなく、やはり彼は生粋の政治家であり、東京都というマスの未来をきっちり見据えた人であったことが分かる。

その目線は、皆が想像する以上に、自治の目線であり、自立の目線である。ファシスト的な側面が一人歩きし、彼の本質的な思考がうまく大衆に伝わっていなかったことは、政治の難しさを物語っているように思う。

最後に石原氏を表現するに、著者は以下のウォルター・リップマンの言葉を引用している。

「直接的な政治闘争は本能的な知恵、力、証明不能の信仰を大量に必要とし続けるであろう」

「理性はそうしたものを規定することも統制することもできない」

彼はそれを体言していた、と。
細かい技術を紹介するビジネス本も大事だと思うが、こうした大人物の哲学に触れることも重要だと改めて認識した次第である。

 

本書は、非常に面白い一冊だった。
役人の書く文章はとかく読みづらかったり、詰まらなかったりするのだが、この青山やすし氏の文章は上手い。

話の運びがスムーズで、かつ随所にそのエピソードが読者に想起できるような小道具が丁寧にちりばめてある。
最後に著者の肩書きを見ると、作家としても活動しているとのこと。
納得いたしました。


もうすこし行政組織について書こうと思ったのだけど、文章もブレブレで頭がだめなので、また今度にします。気が向いたらリライトしよう。


夏休みの読書感想文でした。

山梨市長が逮捕された件で、山梨市のHPが魅せる華麗なスルースキル

www.jiji.com

現役の市長が逮捕されるという事件が起きました。
虚偽有印公文書作成・同行使容疑。
職員採用の口利きということです。

こんなこと民間も結構あるであろうし、事象としては驚くに値しません。
大方、地権者だったり、地縁に基づく声かけがあったのではないでしょうか。
いずれにせよ、ご自身の立場を考えられていない以上、お馬鹿だったのか、それか日常的にこういうことをしていて、罪の意識が麻痺していたのでしょう。

……じゃなくて、今回気になっているのは、市としての対応です。

というのも、山梨市のホームページが沈黙しています。逮捕された日(平成29年8月7日午後10時現在)、市長逮捕にまつわる情報は何もなく、薄気味悪いくらい平常運転をしています。鬼スルーです。

税金で食べさせてもらっている首長が、逮捕されたのです。
それに対する説明責任を、市民に対して丁寧に果たすことが、同じく税金で食わせてもらっている組織として取るべき対応なはずです。
まだ現時点では言えないことあるでしょう。だが、少なからず、市長の逮捕については触れねばならぬことだと思います。真実は隠さず、情報開示を適宜、適切に行うべきです。
にも関わらず、何の対応もなされていません。

このことから見て、山梨市には、きちんとした広報戦略や意識がないことがよく分かりました。

私は仕事柄、危機対応を常にウォッチしているので、ちょっとストーカー気質な部分はありますが、それにしてもスルーを決め込む市役所に対して、市民の不満は溜まる一方なのではないでしょうか。

もちろん、今頃、現場ではさまざまな対応に追われていることでしょう。ただし、真に考えるべきは、メインのステークホルダーである市民に対してであって、組織の倫理やマスコミ対応ではありません。

こうしたことの積み重ねが、地方自治と住民の乖離を生むのであろうなぁと考えてしまいます。なんだか悲しくなりました。

 

今も山梨市のホームページには逮捕された市長の言葉がならんでいます。こんな皮肉もありません。

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バニラエア騒動における白眉

バニラエアが、車椅子の客の搭乗を拒否した件で色々とザワザワしてます。

 

自分が障害のある木島某さんの立場だと想像すると(手法はともあれ)それなりに彼の主張も分かるし、バニラエア側の気持ちも分からなくもない。

ネット上の世論を見てみても、明確な答えが出ず、答えが二分してるように思う。

それからも分かるように、これは二元論で語れる問題ではないので、これを切っ掛けに社会には多様な人がいることを認識し、新しい関係性を構築していければいいんじゃないかなぁと思っている。

 

蒸し返すわけじゃないが、木島某さんはフェイスブックに書いていた。

「腕で登ったことが問題の論点ではなく、障害を理由に搭乗を拒否されたこと」が論点だと。つまり「人権侵害」について彼は訴えたかったわけだ(彼の採った手法や、その後の経緯に関しては私は語る言葉を持ちませんが。。)。

もちろん「事前連絡ガー」とか色々意見もありますが。某さんの話はここまで。

 

で、ここから切り口を変えて、「パブリックリレーションズ的な観点」からバニラエアの対応を見ると、これが良い意味で教科書的な対応で参考になりました。

騒動後のバニラエアの対応は次第点だったと思います。

具体的に何がというと、余計な言い訳をせず、反省と、それに対する改善を具体的に示している。

特に「仮に事前連絡をしていても(今回のケースでは)搭乗を拒否していた」と言い切ったのは良かったと思います(個人的にですよ)。

攻められると、「秘書がやりましたー!」的なお茶を濁す対応をしてしまいがちです。そう考えると、今回、バニラエアは真摯な対応をしたと分析できます。

要は「ほんまかいな?」と聞き手に感じさせる対応をしていないので、その分、問題に対する真剣さが伝わります。

国会なんか見てると私はいつも「ほんまかいな?」と思ってしまいますよ。文書のこととか。

(投資家の視線も踏まえた)真剣さの差でしょう。

 

あと具体的な対応策を打ち出すスピード感(マスコミを木島氏が抱き込んだせいもあるかもしれないが)と、変にスタンスをぶらさず安全を担保した対応策の打ち出し(それしか打ち手が無かったのかもしれませんが)も良かったと思います。

これで圧力に負けて「スタッフが担ぎます!」とか言い出したら、策として下の下でした。

 

ともあれ、事実を全部さらけ出した上で謝罪するってのは本当に難しいもんです。

一応それをやっているので、今回の件はパブリックリレーションズ的に勉強になりました。

 

まぁどの立場に立っても、あまり気持ちの良いものではなかったかもしれませんが。

 

都市のデザインは障害のある人の目線でまだまだ作られてません。少しづつ和合していければと改めて思います。

 

※今回は結構想像で書いてますのでいつも以上に()が多くなっております。

公務員に大事な忖度

忖度という言葉が、国の偉い人から出て、流行語ともなりそうな勢いだ。

確かに、一地方自治体職員として感じるのは、行政の仕事は忖度が大事であるということ。

 

忖度に忖度を重ねて発言する、文書を作る、政策を作る。これがきちんとできる公務員は有能だとされる。

 

ただし、有能な公務員が、正しい公務員であるとは限らない。

忖度が上手い公務員は、また忖度によって行動を縛られる。

仕事を上手く運ぶための手段の一つであった忖度が、目的とは言わないまでも、絶対の手段となり、本質的な問題解決から遠のく。

忖度は効率的な行政「運営」のための一つの事象、事実であるが、理想の行政の形でも、目的でもない。

 

 

何が言いたいかと言うと、忖度に疲れました。

 

新宿末廣亭6月下席(6月26日)へ行ってきた話【立ち見必至】

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【教訓:出演者が豪華な新宿末廣亭には朝9時くらいから並ぶべし。】

※周りのお店にも迷惑なので、並ぶ時は気遣いを大事に列を作りましょう!

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新宿末廣亭6月下席の出演は非常に豪華だった。

昼の部は
春風亭一之輔
古今亭志ん輔
三遊亭円丈
柳家さん喬
柳屋小ゑん
柳屋喬太郎

夜の部は
柳家権太楼
入船亭扇遊
林家正雀
そしてトリの柳家小三治

オールスターで打線を組んだようなラインナップである。
誰がトリを勤めてもおかしくない。
これはどんな落語ファンでも見たくなる。
絶対に最前列でみたい。

従って私は6月26日(月)朝10時に家を出、10時20分頃から末廣亭に並ぶ算段でいた。

が、、すでに先客が20人以上。
私の読みは甘かった。

平日の朝から皆何してんだ?

暇なのか?

仕事してるんだろうか?(と、一際若い私もそう思われてたに違いない。)

※結局、寿司屋の裏っての方まで70、80人は並んでたようです(後ろのおじさん情報)。まぁどこかしら座れないことはなかったんでしょうけど、並ぶほうが確実。土日なんか正直想像つきません。

【教訓:出演者が豪華な新宿末廣亭には朝9時くらいから並ぶべし。】

 

結局、2列目真ん中の良い席を確保でき、8時間たっぷり、落語の世界に浸ることができた。
周りを見ると昼も夜も立ち見客が居て、会場の熱気がすごい。
いや、3000円で本当にいいものを見れた。

古今亭志ん輔師の高座は本当に良かったなぁ。美しい。

 

寄席はやっぱり最高。(とはいえ8時間座りっぱなしはきつい。体が不調で仕事に身が入りません)。

次は7月の渋谷落語と末廣亭中席あたりに出没予定です。

新宿末広亭6月中席のはなし

先日、仕事を午前中でふけて言って参りました。

ちょうど代演の桂文治師の時でしたか。相変わらず力強い落語でゲラゲラ笑う。

中席は空いてましたね。夜は2,3割の客の入りというところでしょうか。

チケットの取れない噺家さんと、そうでない噺家さんとの差というのは、失礼かも知れませんが歴然に出ますね。

柳亭市馬師がこちらのインタビューでも語っておりますが、たくさんの真打ちがいるこの時代です。

「真打ちという称号」が「落語」を語るのではなく、「落語」が「真打ちという称号」を語ってくれるのかもしれません。ヨカタが何を偉そうにと言われるかもしれませんが。

http://www.sankei.com/smp/life/news/170615/lif1706150033-s1.html

 

芸の希求には終わりがないのだと思います。そのある種苦闘にも似た姿を、一観客としてこれからも見続けて行きたいですね。

 

週明けは末広亭6月下席に行きます。喬太郎師、小三治師を含め、凄まじいオールスターキャストなので朝からかなり並んでいるようです。

頑張って並びたいと思います。